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【産経抄】9月30日
このニュースのトピックス:産経抄
「ハスラー」「スティング」「明日に向って撃て!」…。米俳優、ポール・ニューマン氏(83)の死去を伝える記事を読んでいると、若いころに見た名作の数々が蘇(よみがえ)ってくる。反戦活動やカーレースにも熱心な人だった。
▼なんと2億ドル(約210億円)以上をチャリティーに寄付した慈善活動家でもあったとは。きっかけはニューマン氏が、コネティカット州の自宅で、作っていた特製サラダドレッシングだった。友人にプレゼントすると好評なので、商売にしようと思い立つ。
▼1982年に設立した食品会社「ニューマンズ・オウン社」には、大きな特徴があった。税引き後の利益を100%、慈善事業に寄付するというのだ。会社は急成長した。新製品を売り出すときも、他の食品会社のように巨額の宣伝費をかける必要がない。ニューマン氏が、自分で宣伝すればいいからだ。
▼スパゲティソース、ポップコーン、レモネードと扱う商品が増えていき、支援するチャリティーも数千を数えたという。日本にも寄付文化が育ってきたとはいえ、まだまだ米国とはスケールが違う。
▼1世帯当たりの年間寄付額は、日本が2500円前後にとどまっているのに対して、米国は約16万円だ。今年6月、マイクロソフト(MS)の創業者、ビル・ゲイツ氏が、経営の一線を退き、夫人と設立した慈善団体の活動に重点を移したことが、話題になった。団体の総資産は、約4兆円にのぼる。
▼もっとも、金融業界に嵐が吹き荒れるまで、年収数十億円といわれてきたウォール街のエリートたちが、慈善活動に熱心だったとは、あまり聞いたことがない。ニューマン氏やゲイツ氏のように振る舞っていたら、公的資金の導入に、米国民ももっと寛容だったろうに。