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【主張】円高100円割れ 米国はドルの信認維持を

2008.3.15 03:40
このニュースのトピックス主張

 円相場は12年ぶりに1ドル=100円を突破した。急激なドル安・円高は日本の輸出企業の業績悪化を懸念させ、株価の大幅下落も招いている。日本企業は円高に対する抵抗力を強めているが、足元がふらつき始めた日本経済にとって、円高は深刻な影響を及ぼしかねない。

 ドル安の原因は、低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題で、米国の対策が後手に回っていることにある。いまの米国の状況はバブル崩壊後の日本の金融危機と似ている。米国がドルに対する信認を回復するには、問題の根っこを取り除く抜本策を取る以外にないだろう。

 米国の住宅ローンの焦げ付きが拡大し、米国の金融に対する不安が広がっている。住宅価格の下落に歯止めがかからずサブプライムに関係した資産を持っている金融機関はどこまで損が広がるか分からない。

 金融機関の資金繰りを助けるために米連邦準備制度理事会(FRB)は大幅な利下げを実施しているが、その結果は、内外金利差が拡大し、ドル安が加速する構図だ。

 ドル安はまた、原油や金などの商品相場への投機資金の流入を促し、米国内のインフレ圧力を高める結果にもなっている。

 サブプライム問題は深刻だ。米欧中央銀行が協調しての流動性供給でも危機は収まらなかった。問題の本質は流動性不足ではなく、銀行の資本不足による信用逼迫(ひっぱく)にあることは明らかだ。米国の金融機関は、資源国などの政府系ファンドの資金を頼って自己資本を充実させたが、それでも市場は安心していない。

 ならば、この急速なドル独歩安に歯止めをかけるには米政府が公的資金を投入するしかあるまい。

 ここは日本の経験が参考になる。バブル崩壊後の金融危機と長期不況という日本の苦い教訓はサブプライム問題の危機打開に生かせるはずだ。当時、小出しの政策を批判し、公的資金の注入という抜本策を取るように求めたのは米国だった。

 日本も政争に明け暮れている場合ではない。世界の金融市場の動揺を増幅させないためにも、金融政策のかじ取り役である日銀総裁の人事を早急に決着させるべきだ。

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