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【米金融危機】翻弄される実体経済 さらに減速する日本経済 (1/2ページ)
米国発の金融危機が、日本の実体経済にジワジワとダメージを与えている。米国経済の失速による輸出の落ち込みで、自動車や素材メーカーでは減産の動きが拡大。沈静化していた原油相場は、マネーの潮流の激変で乱高下し、企業を翻弄(ほんろう)しており、日本の景気後退が増幅されるリスクが高まってきた。
トヨタが25日発表した8月の輸出台数は7・5%減と落ち込んだ。
米国での新車販売不振を受け、すでに輸出用の高級車を生産しているトヨタ九州のほか、生産委託先の日野自動車も減産体制に入っている。
渡辺捷昭(かつあき)社長は「今年の米国は(150万台減の予想よりも)さらに厳しくなる。来年も今年と同じ程度」とし、先行きへの警戒感を強める。金融危機で米国の新車販売が一段と落ち込めば、減産の拡大は避けられない。
海外売り上げの比率が7割を占めるスズキの鈴木修会長も「米国発の急激な変化が津波のように押し寄せ、全世界の景気に影響を与える」と、対米以外にも輸出の落ち込みが広がることを警戒する。
実際、米国向けを中国などの新興国向けでカバーする構図は崩れつつある。
「通常ならばクリスマス商戦向けのハイシーズンのはずなのに…」
塩化ビニール樹脂メーカーの業界団体である塩ビ工業・環境協会の菅原公一会長(カネカ社長)は、8月の輸出が、業界全体で6割も落ち込んだことに頭を抱える。
三菱化学が9月から樹脂基礎原料のエチレンで15〜20%の減産に入るなど、好調なアジア向けでフル操業を続けてきた素材メーカーは、相次いで生産調整を余儀なくされている。
「対米輸出の落ち込みで、家電など中国の輸出メーカーの樹脂原料の需要が減退している」(三菱化学幹部)ことが原因だ。
米国の景気減速により、対米輸出に支えられて好調を持続してきた新興国経済に変調がおよび、回り回って日本もダメージを受けるという構図だ。
菅原会長は「金融危機がさらなる消費者心理冷え込みを招く恐れもある」と不安を募らせる。