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トヨタ、「1000万台の壁」打破へ課題山積

2008.8.28 19:47
このニュースのトピックス自動車産業

 トヨタ自動車は28日に東京都内で開いた経営説明会で、2009年の世界販売計画(日野自動車とダイハツ工業を含む)を、当初計画の1040万台から970万台程度に下方修正すると発表した。前人未到の年間販売1000万台を目前にして、米国市場の不振や原燃料価格の高騰という逆風にはね返された。従来の「急成長」を捨て「安定成長」に向かうトヨタ。1000万台への挑戦は2010年以降に持ち越された。(田端素央)

 「これまでの右肩上がり(の成長)はスローダウンする」−。経営説明会で渡辺捷昭社長は、世界一のメーカーに成長したトヨタが大きな岐路に差し掛かっていることを認めた。ここ数年、毎年50万〜60万台も販売台数を上積みしてきたトヨタ。しかし、米国市場の失速やガソリン高、各国で厳格化される環境規制など、「業界を取り巻く環境と市場構造は完全に変わった」(幹部)ことで成長ペースは年10〜20万台程度の増加へと急激に鈍化する。

 「急拡大のゆがみ」。業界内ではそんな言葉がたびたびささやかれる。トヨタ車は世界170カ国以上で販売され、全世界の従業員は約30万人に上る。生産−販売間の連携の悪さなど「大企業病の兆候」を渡辺社長も認める。ゆがみは新興国戦略にも生じている。長らくドル箱の米国に軸足を置いてきた結果、インドやブラジルという成長市場での販売シェアはわずか3%程度にとどまる。

 不調の最大の要因もまた米国偏重型の経営にある。2年前に本格参入したピックアップトラック「タンドラ」は7月の販売台数で前年同月比42%減という惨状。ガソリン高の影響から大型車はことごとく消費者から敬遠された。

 もちろん、次の一手は打った。米国では大型車の生産集約やハイブリッド車「プリウス」の現地生産に乗り出す。次世代エコカーでは家庭用電源から充電可能な「プラグインハイブリッド車」の市場投入を09年末に前倒しする。街乗り用の電気自動車も10年代早期に投入する方針だ。

 トヨタは同日、売上高営業利益率10%(前期は8・6%)を早期に達成するとの目標を掲げたが極めて厳しい目標だ。世界的な潮流になりつつある小型車やハイブリッド車のコスト低減や、効率的な生産体制の構築という課題をクリアできなければ、米ゼネラル・モーターズ(GM)が30年間はね返されてきた「1000万台の壁」は破れない。

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