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【ドラマ・企業攻防】「冷たい握手」を重ねる電機業界の再編 (1/3ページ)

2008.8.10 11:10
このニュースのトピックスドラマ・企業攻防
シャープとソニーが大型液晶パネル・モジュールの生産および販売を行う合弁会社を設立。握手を交わす片山幹雄・シャープ社長(右)と中鉢良治・ソニー社長=2008年2月26日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪シャープとソニーが大型液晶パネル・モジュールの生産および販売を行う合弁会社を設立。握手を交わす片山幹雄・シャープ社長(右)と中鉢良治・ソニー社長=2008年2月26日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪

 金屏風(びょうぶ)をバックに立つ“昨日の敵”の社長同士が、笑顔でフラッシュを浴びながら何度も交わす握手。電機業界では見慣れた光景になった業務提携の発表だが、一体どこまでが本気なのかわからない。ソニーとシャープ、シャープとパイオニア、パイオニアと松下電器産業、さらに松下と日立製作所とキヤノン…。世界をリードしてきた日本の電機メーカーは提携や統合といった経営戦略を駆使し、淘汰の荒波を乗り越えようともがく。そこで交わされる握手には、信頼よりも打算や他社への牽制の意味を込めた「冷たい握手」が混じっている。

固い表情

 今年2月、ソニーとシャープが発表した液晶テレビ用パネルを共同生産する業務提携のニュースは、日本の家電業界を震かんさせた。世界のエレクトロニクスメーカーの頂点に立つソニーが、液晶の雄として急速に台頭してきたシャープに対し、2009年度稼働の新工場に出資して液晶パネルの供給を受ける。まさに「テレビ業界の地殻変動を象徴する」(業界関係者)再編劇なのだ。

 だが、晴れの記者発表のひな壇に立つソニーの中鉢良治社長とシャープの片山幹雄社長は、終盤の報道向けフォトセッション(写真撮影)で見せた笑顔の握手の場面を除き、終始固い表情を崩さなかった。

 「新工場の安定操業へ向け、ソニーは心強いパートナーだ」(片山社長)。「世界一のテレビメーカーを目指す上で、非常に重要なステップになる」(中鉢社長)。両社トップの口からは、提携の意義を強調することばがポンポンと飛び出した。

 約3800億円が投入される堺市の新工場は、3メートル四方の巨大なガラス基板を使う「第10世代」と呼ばれる最新鋭工場となる。ガラス基板が大きければ、多数のテレビ用パネルが切り出せ、製造コストを下げられる。薄型テレビは年20〜30%ペースで価格が下落し、コスト削減は至上命題だ。

 安価な大型パネルを安定調達できるソニー。外販の「大口顧客」を取り込み、新工場の高稼働率を確保できるシャープ。相互補完のメリットを考えれば、理想的な提携関係にみえる。

 だが、記者発表で両社トップは互いに目を合わせることも少なく、「ぎこちなさ」が残った。量販店の店頭では、「ブラビア」と「アクオス」の激しいシェア争いがこの瞬間も繰り広げられているのだから、当然かもしれない。ただ、“昨日の敵”と過去のわだかまりを捨てて信頼関係を構築するのが「熱い握手」なら、ライバル同士が打算でつきあう関係は「冷たい握手」。両社の関係は一体どちらなのか。

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シャープとソニーが大型液晶パネル・モジュールの生産および販売を行う合弁会社を設立。握手を交わす片山幹雄・シャープ社長(右)と中鉢良治・ソニー社長=2008年2月26日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪
シャープの液晶テレビ「アクオス」の最上位機種の「Rシリーズ」(65型)=2008年5月19日、東京都千代田区のホテルニューオータニ東京
ソニーが発表した液晶テレビの新商品「ブラビアKDL-32JEI」。消費電力が国内製品で初めて100ワットを切るなど、省エネ性能を高めた=2008年6月17日
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