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【ドラマ・企業攻防】「空飛ぶホテル」A380導入の賭け 決断迫る全日空 (2/3ページ)
ただ、全日空社内でも、導入を疑問視する声はあったという。A380の全席を常に埋めるのは難しいからだ。「導入を決めたある海外航空会社は、席を埋めるためすでに安売りを始めている」(業界関係者)。
こんなうわさも出た。全日空がエアバス購入の検討がよほど意外だったのか、「(検討報道が)北海道洞爺湖サミット直前だったので、購入には(日本政府がEU支持を獲得する取引など)何らかの国策的意図があるのではないか」などと、疑心暗鬼の声が周辺業界で渦巻いたほどだ。
B787の遅れ深刻
だが、超大型機ながらA380の機体は軽く、一度に大量の旅客を運べることから燃費の効率はよい。また、機内にバーやシャワーも設置でき、「空飛ぶホテル」と称されるほど快適性を高めた魅力的な機体であるのはまちがいない。
一方、A380のライバルであるB787は、200〜250席の中型機だ。構造部に炭素繊維を使っているのでこちらも機体が軽く、燃費効率に優れる。
燃油高騰の中、エアバス、ボーイングは両機を核に、オイルマネーで潤う中東諸国の航空会社からの引き合いを期待し、互角の受注合戦を繰り広げてきた。ただ、昨年10月にシンガポール航空が「ローンチ・カスタマー(第1号購入者)」となり、ひと足先に世界の空にデビューしたA380の評判はよく、一方で就航予定が遅れに遅れるB787は押され気味だ。
実は、全日空はB787のローンチ・カスタマーとして、世界の先陣を切って最新鋭機の引き渡しを受ける特別な立場にある。当初は北京五輪に合わせて中国路線にB787を華々しく就航させる予定だったが、納入は2009年7〜9月期へとずれ込んだ。
大きなビジネスチャンスを逃した全日空は怒り心頭で、ボーイングに遅延の損害賠償を請求する方向だ。航空業界では「全日空のA380購入の検討は、ボーイングとの賠償交渉などを有利に進めるカードではないか」とのうがった見方も消えてはいない。








