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【すごいぞ日本】ファイルVI 商社再生(4)原油の開発・生産 自ら参画 (1/2ページ)

2008.7.16 03:25
このニュースのトピックスすごいぞ日本
カスピ海のACG油田のプラットホーム(AIOC社提供)カスピ海のACG油田のプラットホーム(AIOC社提供)

 ■原油の開発・生産 自ら参画

 A4判3枚のプレスリリースはごくあっさりとした内容だった。

 アゼルバイジャン共和国にあるカスピ海深海部の油田で原油生産(原油噴出)を開始します。これで大型油田全体の生産が出そろいました…。そのあっさりした記述をさらに要約すればそんな内容だが、4月22日付のこの発表文は実は、伊藤忠商事が1994年から14年の歳月をかけ、ようやく生産開始にこぎつけた商社苦闘の時代のプロジェクトの結晶でもあった。

 94年といえば、ソ連崩壊からまだ3年余り。カスピ海に面したアゼルバイジャンは91年8月に共和国として独立し、暮れに独立国家共同体(CIS)に参加した。首都バクーは20世紀初めから石油の大生産地として栄え、沖合のカスピ海域は掘ればまだ大油田が期待できる地域である。地域紛争を国内に抱え、政治的に不安な状態が残る中で、共和国政府は持てる資源を経済発展に充てようと石油メジャー(国際石油資本)をはじめ外国資本に開発・生産の協力を求めていた。

 一方、日本の総合商社は当時、石油ビジネスの転換期に直面していた。産油国から原油を輸入し、仲介料で稼ぐ。そんなモデルでは石油精製・元売り会社が力をつけ直接輸入に乗り出すと商社の必要性はなくなる。開発・生産まで自らリスクをとる新たな手法に挑まざるを得ない。

 伊藤忠がアゼルバイジャンの油田開発計画の情報をつかんだ時にはすでに、メジャーを中心にした世界有数の石油関連企業が参画契約を結んでいた。ACG油田はバクーの東沖約100キロ、可採埋蔵量34億バレル(後に上方修正し54億バレル)。立地も石油の質も量もともに優れた油田である。伊藤忠はこれまでに培った石油人脈を生かし、企業情報をフル活用して、なんとか共同事業体(コンソーシアム)への参画に成功した。

 問題はむしろそれからだった。生産した原油の輸送計画を大幅に変更しなくてはならなかったからだ。当初計画は既存のパイプライン(西ルート)を改善して使う予定だったが、国境を越えたパイプライン輸送には各国の思惑や紛争が複雑な影響を及ぼす。そうした地政学上の問題に加え、積み出し港に想定していた黒海岸のスプサ(グルジア)から大型タンカーで輸送するとなると、地中海への出口となるボスポラス海峡(トルコ)が狭すぎて通過できないという難題も出てきた。

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カスピ海のACG油田のプラットホーム(AIOC社提供)
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