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【すごいぞ日本】ファイルII 重厚長大健闘中(5) (2/2ページ)

2008.4.27 17:39
このニュースのトピックスすごいぞ日本
悲願の国産ジェット旅客機MRJの模型。三菱重工業の佃和夫社長(左、現会長)が事業化を発表した=3月28日、東京都港区港南の三菱重工業本社(小松洋撮影)悲願の国産ジェット旅客機MRJの模型。三菱重工業の佃和夫社長(左、現会長)が事業化を発表した=3月28日、東京都港区港南の三菱重工業本社(小松洋撮影)

 従来の方法は、溶かした樹脂を炭素繊維にまぶして半乾きにしたプリプレグという中間材料を高価な窯で焼き付ける。その後でさまざまな部品の形状に成形するので、形状が複雑になるほど時間も労力もかかる。しかも、部品の大きさは窯のサイズに制限され、素材自体が高くつくので機体の一部にしか使えない。

 バータムはまず、炭素繊維を型の上に重ねて薄いフィルムで覆い、空気を吸引して内部を真空にする。その真空部分に樹脂を流し込むのだ。掃除機の吸引力を利用した家庭用の布団圧縮袋を想像するとわかりやすい。加熱炉が要らず、巨大な翼の一体成形も可能になるので、大幅なコストダウンが図れる。

 ガラス繊維を使ったヨット船体や風車の翼などにはこの技術が採用されているが、炭素繊維による航空機への採用実績はまだない。その意味では未知の技術だが、三菱重工は炭素繊維メーカーの東レと共同で長さ5・5メートルの垂直尾翼の試作にすでに成功している。

 国産機開発を支援し成果を民間に提供する宇宙航空研究開発機構(JAXA)も6メートルの主翼を試作し、コストが従来法より2〜3割安くなることを実証した。MRJは機体の約3割に複合材料を採用する計画で、バータムが取り入れられれば「複合材料で日本が世界を追い抜いた証左となる」とJAXAの永尾陽典先端材料グループ長は話す。

 旅客機生産の分野で日本企業はこれまで、ボーイング社など欧米航空機メーカーへの部品供給役に甘んじてきた。この下請けで培った複合材料技術が日の目を見ようとしているのだ。MRJの就航は5年後の平成25年。技術者たちの戦後はその時、ようやく終わることになる。

(小熊敦郎)

 =ファイルIIおわり

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悲願の国産ジェット旅客機MRJの模型。三菱重工業の佃和夫社長(左、現会長)が事業化を発表した=3月28日、東京都港区港南の三菱重工業本社(小松洋撮影)
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