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【主張】春闘 本気で賃上げに臨んだか

2008.3.14 02:47
このニュースのトピックス景気

 自動車や電機などの大手製造業の賃上げ労使交渉がほぼ決着した。好調な企業業績を背景に家計への還元が期待されたが、米景気の失速や円高、株安の影響で、前年並みの水準にとどまった。

 食品やガソリンなど生活必需品の値上げが相次いでいるため、この賃上げでは家計を潤すにはほど遠い。業績好調な企業は、本気で賃上げに取り組んだのか。個人消費刺激への期待がしぼむ春闘となった。

 今年の春闘は、日本経団連が「家計の購買力への配慮」を打ち出し、大幅賃上げ容認ムードで始まった。戦後最長の景気拡大を背景に、上場企業の多くも平成20年3月期決算は5年連続の増益予想である。

 企業収益が賃金に反映されれば、個人の所得が増加し消費が喚起されて景気を下支えする。福田康夫首相が「改革の果実が給与として国民に、家計に還元されるべきだ」と、御手洗冨士夫経団連会長に異例の要請を行ったのも、このためだろう。

 しかし、労使交渉の結果は3年連続の賃上げこそ実現したものの、経営側は途中から慎重な姿勢に転換した。

 大幅賃上げムードが一変したのは、円高・株安が急激に進んでいるからで、経営側は「固定費が増加すれば、国際競争力が低下する」と賃上げを自制した。

 トヨタなどの好調企業も前年と同じ1000円で決着した。これにより、もともと賃金の低い中小企業は今後、一段と賃上げ抑制に動くだろう。

 今回、労働側が労働時間短縮のテコとして主張していた残業代引き上げについても合意に達しなかった。

 ただ、限られた原資の中で、企業が個々の働く意欲を高める工夫をした点は評価できる。

 松下電器産業は前年に続き賃上げをすべて手当扱いとしたものの、仕事と生活の調和を目指す「ワーク・ライフ・バランス」に配慮した。鉄鋼や造船重機、非鉄なども特定職種への配分に腐心している。

 春闘のテーマは賃金だけではない。パートタイマーと正社員の間の処遇の是正も課題である。国際競争にさらされているとはいえ、大手企業の労使は利益分配の在り方に対して十分な対応が必要だろう。

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