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【週末読む、観る】(2)『日本から一番遠いニッポン』ほか (4/4ページ)
【著者に聞きたい】山田史生さん
『脱世間のすすめ』(祥伝社・1575円)
■肩の力ぬけた生きるコツ
著者は弘前大学で漢文を教える教授。副題に「漢文に学ぶもう少し楽に生きるヒント」とある。「漢文」とあるだけで敬遠気味に構える人もいるかもしれない。そして「生きるヒント」だ。さらに一歩後ずさり…。心配は無用だ。軽妙な筆致は肩の力がぬけていて笑いさえ誘う。
それというのも、「私は『金持ちにならなきゃ』『もっと有名に』など世間の物差しに振り回されて頑張って生きるのはまっぴらです。『脱世間』とは世の中の価値観から自由に、自分らしく生きてみる、というくらいの意味です」と自らの性格を話す著者の記した本だからだ。「友人はどうしても必要なのだろうか」「ほんとうの自分などあるのだろうか」「偶然に身をまかしちゃどうだろうか」と、従来の人生論とは真逆のような小見出しが並ぶ。
「高尚な人生論ではない」といい、「自分のありさまを正直に書きました。『中国の古典をネタにしたお笑いエッセー』として気楽に読んでもらえれば本望です」。
「強いってどういうことなんだろう」の章では老子の「兵強則不勝(軍隊は、なまじ強いと、むしろ勝てなかったりする)」が紹介される。続く「すこぶる後味の悪い」話である「ウサギとカメ」の解説が著者の面目躍如である。「ウサギは、たしかに傲慢(ごうまん)である(中略)ウサギを尻目に、そのかたわらを知らぬ顔でのそのそ歩いてゆくカメも、同じくらいイヤなやつである。相手の油断によってえた勝利に、どんな喜びがあるというのだろうか」。生きる目的はかけっこに勝つことではなく、自分の歩ける速さで歩くほかない、とまとめる。ものの見方の多様性も教えてくれる。
「古典というのは、読み方に応じてどのようにも読める懐の深さを持つものだと思います。求めるものを持って読めば、それに応えてくれるのが漢文です」(江原和雄)
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やまだ・ふみお 昭和34年、福井県生まれ。東北大大学院修了。著書に『日曜日に読む「荘子」』など。