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【週末読む、観る】(1)『「中国の戦争」に日本は絶対巻き込まれる』ほか (3/4ページ)

2008.8.3 08:32
このニュースのトピックス週末読む・観る

 【書評】『女の人生すごろく』辛酸なめ子著(マガジンハウス・1365円)

 既刊『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)をはじめ、著者はこれまで「女子」に注目し、その独特のメンタリティーや行動パターンを、自身の経験も踏まえて読み解いてきた。加えて、現代女性(特に団塊ジュニア世代)が共有する、焦燥や諦念(ていねん)、癒やされ願望などを鋭く突いたエッセーでも定評がある。

 この本は過去5年間、産経新聞をはじめさまざまなメディアで掲載された、「女の人生」に関する著者のエッセー、コラムをベースに、人生すごろく仕立てにまとめたもの。「スピリチュアル」「モテ」「セルライト」「毒素」「セレブ」「アンチエイジング」「おひとりさま」…など、気になるキーワードがちりばめられている。本文に対応したイラスト、漫画も楽しめる。

 【私の本棚】総合研究大学院大学教授 池内了

 ■『アインシュタインとロブソン』黒人歌手との交流

 7月12日

 私の読書はもっぱら新幹線の車中である。単身赴任のため毎週神奈川県の逗子と京都の間を往復しているからだ。つい居眠りをしそうになるのだが、面白い本に出合うと2時間余が短く感じられる。別にテーマを決めて本を選んでいるわけではないが、不思議に同じ分野になることが多い。最近は数学で、『ピタゴラスの定理』では歴史的に展開された定理のさまざまな証明法と、思いがけない利用法の豊かさを楽しんだ。『解読!アルキメデス写本』は、パリンプセスト(重ね書きされた羊皮紙)に残されたアルキメデスの業績を現代科学を駆使して読み解く物語だ。いずれも、過去と現代を結ぶ数学対話といえるかもしれない。

 数学には、ケプラー予想、ゴールドバッハ予想など「××予想」と名付けられた、正しそうな命題だが厳密に証明されていない問題が多くある。春人真人『100年の難問はなぜ解けたのか』は、ポアンカレ予想が証明された経緯を追っかけたものだが、難問に挑戦する数学者の生きざまが興味深かった。

 7月13日

 暑さの中、家の拭(ふ)き掃除をしたものだから全身ぐったりである。そんなときは、写真集を眺める。石内都『ひろしま』は、広島平和記念資料館に寄贈された着物や櫛(くし)や眼鏡などの遺品だけを写したものだが、そこに生身の人間がひっそり佇(たたず)んでいるという幻想を持った。『BONES』は、さまざまな動物の骨格をクローズアップしたもので、背骨や嘴(くちばし)の精妙で緻密(ちみつ)な造作は自然の傑作としか言いようがない。『魂との出会い』は、大石芳野の写真と社会学者の鶴見和子との対話を重ね合わせたものだが、人間の「魔性」がもたらした虐殺や貧困を静かに告発している。これらの写真集は私を鼓舞する力を持っていて、つい手にとってみたくなる。

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