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【写眼】家族のぬくもり 田崎力「農作業の合間に」〈「−天孫の里−高千穂」より〉 (1/2ページ)
「ほっ」。そんな安堵(あんど)の一息が聞こえてきそうだ。辛い農作業のつかの間の休息をとらえた一枚という。母子の穏やかな笑顔に、心が安まる。
「大きい農家で忙しいんですよ。地下足袋を脱ぐひまもない。だから、こうやって土間の脇に腰かけてるんです」
撮影者の田崎力(つとむ)(88)は、天孫降臨の神話で知られる宮崎県高千穂町で生まれ育った現役の医師。数々のフォトコンテストで受賞し、何冊もの写真集を出している写真家の顔も持つ。交流のあった写真家、土門拳に「生活に目を向けろ」と教えられたという。地元で開業医をしていたため、被写体はおのずと高千穂が中心に。戦前から約70年も町の暮らしを撮り続けてきた。
本作は、昭和20年代か30年代の光景だという。もんぺ姿が、当時の農村の生活を物語っている。「カメラの前でお乳を出すのはそのころもためらわれたのですが、田舎医者をしていたので安心してくれたんでしょう。今はもう撮れませんね」
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