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【京のいろ】灯火 化野念仏寺「千灯供養」 願わくは安らかに (1/3ページ)
化野と書いて「あだしの」と読む。かなしみの地という意味だとか。京都市の北西にあり、古くは葬送の地であった。ここに811(弘仁2)年、空海が寺を創建した。化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)である。毎年、地蔵盆にあたる8月23日と24日には、数多くの老若男女が訪れ、境内にある約8000体の小さな石仏や石塔にろうそくを供え、そっと手を合わせる。
苔むした石仏は、平安や鎌倉時代に戦乱や疫病で化野に葬られた無縁仏。その冥福(めいふく)を祈るため、灯火が1本、また1本…。かすかな風にもはかなげに揺らぎ、あたりは幻想的な雰囲気に包まれる。「千灯供養(せんとうくよう)」だ。京に夏の終わりを告げる風物詩として知られる。
■心は風化しない
今年の千灯供養は初日の夕刻、豪雨に見舞われたが、6時前、僧侶たちの読経が始まると不思議と雨はやんだ。6時ごろ参拝者の親火になるろうそくが運ばれると、列が動き始めた。兵庫県尼崎市から訪れた女性(76)は、静かな口調でこう話した。「10年前から毎年参っています。亡くした母や戦死した兄弟を供養するとともに、今年もここへ来られたことに感謝しています」




