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【人、瞬間(ひととき)】あの言葉 画家・ジミー大西さん(44)(上)「キャンバスからはみだせ」 (1/2ページ)
「ジミー、がんばれよ」と振られたら、お決まりの返しは「お前もがんばれよ!」。超簡単なクイズには、頭をかきむしりながら珍回答。計算見え見えのお笑いタレントが目立つなか、驚異の天然ボケぶりはお茶の間を沸かせ、和ませた。
とはいえ芸人、ジミー大西は自分の役割を心得ていた。今から16年前。テレビ番組の企画「タレント絵画オークション」に参加した。絵なんて学校の授業以来描いていない。「オチで使うからって言われてね」
実際、見事にオチはついた。ただし予想とは逆の意味で、だ。色と形が自由奔放にうねるジミーの絵は、最高値33万円を付けた。その後、サプライズはもう一つ増えた。芸術家、岡本太郎から熱い言葉が届けられたのだ。
“キャンバスからはみだせ”
◇
「これが僕には衝撃的なメッセージやったんですねえ。描き始めるきっかけ、後に芸能界を引退するきっかけになりました。でも、いまだにその意味がわからへんのです」
最初は文字通り、紙からはみだすように描くことだと理解したという。思い出したのは、大阪万博(昭和45年)で見た太陽の塔だ。「まだ幼かったですが、そらもう、度肝を抜かれましたね。屋根からはみだしてるやないですか」
でも「はみだせ」は、そういう意味じゃない。そう気付いて悩むうち、当の岡本太郎は世を去ってしまい、直接会う機会を逸した。「(養女の)岡本敏子さんには何度もお会いして、太郎先生の生き方について伺いました。でも、メッセージの意味については、よう聞けなかった。永遠の課題だから教えてくれないだろうな、と思って」
◇
岡本太郎がジミーの絵に何を見いだし、何を伝えたかったのか、はっきりしたことはわからない。しかし、こんなエピソードから、ジミーの画才の片鱗(へんりん)が感じられる。小学生の時、写生の授業でのことだ。
「みんなは工場とか家とか、見える風景をちゃんと描いてたんです。でも僕は空を見て、ふと、象を描いてしまった。それも横からではなく、真っ正面から見た象。『大西、何か違うもん描いてる』とみんなに笑われたけど、先生は『大西君はそれでいいんです』って言うてくれた」
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