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【ムツゴロウのいのち万華鏡】なぜメスを受け入れないのか (3/7ページ)
従業員はすべて家に入るようにと、チンパンジー保護センター所長のデーブに命令された。チャーリーとは長い付き合いだが、すでに共に遊べなくなっていた。噛(か)み殺される危険があった。
トラックに、動物移送用の檻(おり)を積み、日本からザンビアに赴任中の獣医、フクちゃんやイギリス人のわが友ジェルミに入って貰(もら)った。
私は、家の前で待った。
ケージの戸が巻き上げられた。
チャーリーが出てきた。
家の前にはロータリーが作られていて、花を植えるためにコンクリートで囲われている。その上に彼がのった。
私は、低い声で名を呼んだ。
彼が口を広げた。上と下の前歯をすべて見せた。
喜んでくれている表情。サルとの生活で、それを知っていた。
私は背を見せる。両手をポケットに入れ、うなだれる恰好(かっこう)。
近寄ってくる。気配で分かる。ただし顔を上げず、足元の小石を見つめている。






