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【人、瞬間(ひととき)】あの作品 草月流家元 勅使河原茜さん(48)(下) (1/2ページ)
■自分らしさ見つけ充実感
草月流の生け花は「自由」や「個性」を大きなテーマに掲げている。だけど、型通りでないことは、ときに楽じゃない。「私はあなたと同じでいいの、という人には、とてもつらい流派です(笑)。『右へならえ』では怒られる。自分らしさを見つけなきゃいけない。そのためには、自分って何なんだということから突き詰めていかなきゃならない」
25歳で財団法人草月会の職員になったころは、家元の娘ということを意識しすぎていた−と振り返る。傲慢(ごうまん)とは正反対の意味で。「1人の人間としてつきあってもらいたい。私もみんなと同じ職員のひとり」。そう考えていた。いろいろな視線から逃れられない現実もわかっていたが…「吹っ切れるのには、かなり時間がかかりましたねえ」。
もともとは裏方のつもりだった。「生け花の良さを広くアピールするとか、そういうことが仕事で、作家として作品を発表することとは、まったくつながっていなかった」。
転機は3年目の昭和63年に訪れた。「個展をやってみませんか」と名指しされたのだ。静岡に自動車のショールームができて、イベントに若い作家を探している−と。
「大きな空間でしたから、1人ではできない。チームを組んでやることになって、職場の同年代の仲間が協力してくれました。『こういうのが作りたいんだけど』と話し合って…楽しかったですね」

