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【試行私考 日本人解剖】第3章 ルーツ 神話を読み解く(2) (1/3ページ)
■とどめられた縄文の記憶
≪古事記にみる「国譲り」≫
「古事記」の中の出雲神話には、葦原中国(アシハラノナカツクニ、日本列島)を平定したオオクニヌシ(大国主)神の成長や活躍など、「日本書紀」の出雲神話にはない内容が多く盛り込まれている。オオクニヌシが葦原中国の支配権を天孫降臨族に引き渡す「国譲り」の物語も、両者で違いがある。古事記では、日本書記には登場しないオオクニヌシの息子のタケミナカタ(建御名方)神が国譲りを迫るタケミカヅチノヲ(建御雷之男)神に力比べを挑んだ末に敗走、オオクニヌシが国譲りを決めたと描かれている。
古事記によれば、タケミナカタが逃げたのは、長野県の諏訪湖周辺で、諏訪大社の祭神はそのタケミナカタだ。
「国譲り」は、天孫降臨族=大和政権の全国統一への抵抗勢力だった「出雲族」平定を描いたと考えられている。出雲族については、島根県・出雲地方の土着勢力とは限らず、「大和政権に敵対する各地の勢力の象徴」とする見方もあるが、なぜ出雲と諏訪が結びつけられているのだろう。
≪クマ送りと御頭祭≫
諏訪春雄・学習院大名誉教授は諏訪大社の性格について、上社で毎年4月に行われる「御頭(おんとう)祭」と、北海道アイヌの儀礼「イヨマンテ」の類似性に着目、縄文信仰と関連があると考えている。御頭祭ではシカの頭部が供えられ、イヨマンテを代表する「クマ送り」ではクマの頭部を並べる。


