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【主張】レアメタル 資源回収の態勢強化せよ
自動車や携帯電話などのハイテク製品に欠かせないレアメタル(希少金属)が高騰し、調達が難しくなっている。
中国やインドなど新興国の経済成長に伴う需要増に加え、レアメタルを産出する国が輸出規制を強化しているためだ。
この金属は特定地域に偏在し、代替の調達先を見つけるのが難しい。政府は、権益確保に向けた資源外交を展開しているが、このままでは、日本が得意とする先端産業分野での競争も厳しい。
他国に日本の産業の命運を握られないためには、使われなくなったハイテク機器のレアメタルを強力にリサイクル化する必要がある。官民挙げての回収技術の開発と低コストの回収ルート構築が喫緊の課題である。
レアメタルは、埋蔵量が少なかったり、単体としての抽出が物理的に難しいプラチナやインジウム、マンガン、レアアースなどの金属の総称である。これらの金属は、わずかの量で触媒や半導体の性能がよくなるため、いまでは自動車や携帯電話、液晶ディスプレーなどには欠かせない存在になっている。
この希少価値が、産地偏在や資源ナショナリズムと結びつくとどうなるか。中国の輸出規制はその典型的な例である。2006年11月から、レアメタルの輸出関税を数度にわたって引き上げたため、価格高騰に拍車が掛かった。
中国はハイブリッド車のモーターに必要なレアアースや超硬工具に欠かせないタングステンの生産で世界の90%以上のシェアを握る。輸出規制には、レアメタルを国内での需要に振り向け、ハイテク製品の輸出を戦略的に拡大しようとの狙いがある。
しかし、中国の輸出規制に対する日本の対策は心もとない。採掘権の確保に向けアフリカ諸国などへの外交攻勢を強めているが、それほど成果は上がっていない。
需給緩和に役立つリサイクルの現状も、個別の企業や自治体任せで戦略がない。まして、ゴミとして捨てられたパソコンや携帯電話がいつの間にか日本から中国に輸出されているようでは、無策としかいいようがない。
資源ゴミの有効利用を徹底し、リサイクルに全力を挙げたい。家電リサイクル法の強化など打つべき手は多い。レアメタルの再利用に向けて、官民共同の対策を考える余地はまだまだある。