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【試行私考 日本人解剖】第3章 ルーツ 二重構造は語る(3) (1/3ページ)

2008.8.11 08:20

 ■家畜でも縄文・渡来くっきり

 ≪渡来した縄文犬≫

 縄文人と渡来(系弥生)人による日本民族の二重構造が示すのは、人集団の移動の歴史だ。その移動には、さまざまな《もの》が伴う。石器や言語、水田稲作などの文化。第2章「機能・体質」で扱ったウイルスなど厄介なものも移動する。家畜もその一つである。

 家畜の中で最も古いとされるのは犬で、そのルーツは近年のミトコンドリア(mt)DNAの分析などから、オオカミであることが判明。約2万〜1万5000年前、中国、インド北部から西アジア方面でオオカミが家畜化されたのが祖先とされる。

 国内では、縄文早期(約1万年前)の神奈川県・夏島遺跡をはじめ、多くの縄文遺跡から犬の骨がみつかっていている。ニホンオオカミも当時すでに列島に生息していたが、犬の形態に詳しい茂原信生・京大名誉教授は「大きさなどから、縄文犬はニホンオオカミが家畜化したものではなく、縄文人集団が連れてきたと考えられる」と話す。

 弥生時代の遺跡からも犬の骨は見つかっている。縄文犬はおおむね小型で、柴犬よりやや小さい。弥生犬は縄文犬とほぼ同じか、一回り大きな紀州犬級のものが出土している。

 ≪複数ルート≫

 田名部雄一・岐阜大名誉教授は、日本犬のルーツを、血液中のさまざまなタンパク質の型を決める遺伝子の分析から探ってきた。図1は、そのうち赤血球ヘモグロビンの型を決める遺伝子(Hb)のA型とB型が現れる比率(構成)を犬種別に示している。A型遺伝子(HbA)は、韓国在来犬と山陰柴犬、三河犬のグループで高い割合でみられ、北サハリンの在来犬でも高かった。このように構成が似た種同士は遺伝的に近いとみられる一方、HbAの割合が低い東日本や琉球列島のグループは、韓国や北サハリン群とは遠い関係にある。韓国・北サハリン在来犬と四国犬や紀州犬で構成が近い血中タンパク質の遺伝子もあった。

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