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【断 二宮清純】「負けるが勝ち」もある

2008.8.7 03:40
このニュースのトピックスコラム・断

 金メダルが期待される野球日本代表の初戦の相手は強敵キューバ。「勝って勢いに乗りたい」との声がほとんどだが、別に負けたって構わない。なぜなら、日本代表の目標は金メダルを獲(と)ることであって予選を全勝で通過することではないからだ。日本代表の実力をもってすれば普通に戦えば5勝2敗、悪くても4勝3敗の星を残すことはできる。これまでの4大会で日本代表が予選リーグで敗退したことは一度もない。

 野球が五輪の正式競技になったのは1992年のバルセロナ五輪から。予選リーグでの戦績と最終結果は左記のとおり。92年バルセロナ五輪5勝2敗、銅メダル。96年アトランタ五輪4勝3敗、銀メダル。00年シドニー五輪4勝3敗、4位。04年アテネ五輪6勝1敗、銅メダル。予選での戦績とメダルの色には相関関係がないことが窺(うかが)える。初戦から遮二無二勝ちに行く必要はないのだ。

 というのも、これまでの日本代表はピークを早めに設定し過ぎて準決勝でつまずくことが多かったからだ。たとえ予選リーグを全勝しても準決勝で負ければ銅メダル以上はありえない。ピークはあくまでも準決勝に合わせるべきだ。

 思うに日本人は「入り口戦略」に比べて「出口戦略」が不得手であるような気がしてならない。目先のことにこだわり過ぎると全体像が見えなくなってしまう。「大事の前の小事」と割り切ることも必要だ。試すものは試す。隠すものは隠す。それが予選リーグの戦い方だ。そこで問題点が浮上すれば、むしろ僥倖(ぎょうこう)と考えるべきだろう。(スポーツジャーナリスト)

■北京オリンピック特集

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