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【断 青沼陽一郎】激化する食料争奪戦
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この夏は暦の関係で土用丑の日が2回ある。二の丑は8月5日。その前に訂正をしておきたい。
最初の土用丑の日だった7月24日付当欄で、日本の養殖池に放たれるうなぎの稚魚(シラス)の量を、ここ数年は「20万〜22万トン」で変遷しているとあるのは「20〜22トン」の誤り。単純なミスで恥ずかしい。もっとも、そんなにシラスが捕れるはずもない。
生態の全容解明にいまだ至らず、人工孵化(ふか)のできないうなぎは、シラスを海から捕ってきて養殖にまわす。いわば天然資源である。この食資源の囲い込みが激しい。
昨年、乱獲を理由に、EUでは欧州ウナギの稚魚の漁獲量を制限した。ワシントン条約による国際取引規制の対象にもなった。欧州ウナギの稚魚は中国で養殖されて、日本へ輸出されている。中国では養殖うなぎの4分の1弱が欧州ウナギ。国際取引の規制対象とすることに賛成しながら、それで「うなぎが食えなくなる!」と大騒ぎしたのが日本だった。
今年からは、台湾が稚魚の輸出規制を強化した。そこで、日本で漁獲された稚魚を持ち込み、コストの安い台湾で養殖して、食べごろに育ったところで日本へ逆輸入。これを愛知県一色産として販売していたのが、違法性の指摘された「里帰りうなぎ」だった。
石油に次いで、食料という天然資源が戦略物資となる時代。産地偽装もさることながら、世界の食料争奪戦の激化に気付いていないのは、日本人くらいかもしれない。(ジャーナリスト)