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【竹内薫の科学・時事放談】宇宙エレベーター (1/2ページ)

2008.6.28 08:00
NASA(米航空宇宙局)が公表した宇宙エレベータの想像図。はるか地球から宇宙ステーションに伸びているNASA(米航空宇宙局)が公表した宇宙エレベータの想像図。はるか地球から宇宙ステーションに伸びている

 ■20年で実現可能な「夢」

 科学者や技術者が「50年後に実用化できます」というとき、私は眉(まゆ)に唾(つば)をつけることにしている。半世紀後、仮にその技術が実用化できなくても、誰も責任をとらないからだ。だが、「20年で実用化できます」というときは(きちんと吟味したうえで)信じることができる。

 最近、読書をしていて、久々に20年で実現可能な夢のプロジェクトに出合った。『宇宙旅行はエレベーターで』(ランダムハウス講談社)という本に出ていた「宇宙エレベーター」だ。地上から高度10万キロまでケーブルを伸ばし、このケーブルを利用して宇宙までエレベーターで行こう、というのである。もともとはロシアの科学者が思い付いたようだが、先日亡くなったSF作家のアーサー・C・クラークの『楽園の泉』(ハヤカワ文庫)で世界的に有名になった。

 なんだSFの話か、と言うなかれ。すでにアメリカのNASAは、この壮大なプロジェクトの基礎研究を始めており、ケーブルの素材を除いて、ほとんどの技術はそろっている。

 宇宙エレベーターは高度3万6000キロの静止軌道に浮かぶ(上下に細長い)衛星の一種だ。高度3万6000キロから上下にケーブルを繰り出して、下端は地上まで、上端は高度10万キロまで達する。ケーブルにかかる、地球の重力と(自転による)遠心力は、釣り合って相殺される。

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NASA(米航空宇宙局)が公表した宇宙エレベータの想像図。はるか地球から宇宙ステーションに伸びている
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