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【主張】新指導要領 伝統文化を授業に生かせ

2008.2.16 03:36
このニュースのトピックス主張

 小中学校の新しい学習指導要領案が公表された。教育基本法改正を踏まえ、伝統文化の尊重や言語力育成など、ゆとり教育の中でおろそかにされていた指導を重視している。実際の授業に生かしてもらいたい。

 伝統文化の尊重は、新指導要領の大きな特徴だ。道徳や社会科のほかにも各教科に盛り込まれた。

 たとえば国語では古典の指導を充実させ、小学校低学年で「金太郎」や「因幡(いなば)の白兎(うさぎ)」といった昔話などを取り上げる。音楽では唱歌などの指導も重視する。

 こうした物語や歌は、祖父母や親から幼いころに聞かされた人が多いだろう。しかし、知らない子が増えている。家庭、地域の教育力が低下し、世代を超えて伝えられるべきものが失われたり、忘れられがちだ。

 先人の生き方や文化遺産などの学習を通じ、国や郷土について深く知ることは、自分の生まれ育った国だけでなく、他国を尊重する国際人育成につながる。神奈川の県立高校が独自に日本史を必修とするのもこうしたねらいからだろう。

 言語力の育成に重きを置いたことも評価したい。

 ゆとり教育では、読み書きなど基礎基本を繰り返して教え、身につけさせる教育が徹底されなかった。言語力は国語だけでなく算数・数学などを含め各教科に通じる学力の支えである。

 小学校の学年別配当漢字は見直さなかったものの、国語の教科書で「挑戦」を「ちょう戦」と書くような交ぜ書きをなくし、ふりがなをつける。交ぜ書きは漢字の意味を無視したもので弊害が大きかった。

 これまで約10年ごとの指導要領改定のたびに授業時間、学習内容が削られてきた。昭和40、50年代に比べ学習量は半減している。ゆとり教育で消えたものは多かった。

 指導要領は、教育基本法改正後、今回が初めての改定で、幅広い知識・教養のほか、豊かな情操を培うことなど知、徳、体それぞれの充実策を各教科で明確にしている。

 だが教育現場では伝統文化の尊重さえも「愛国心の押しつけ」などとして嫌う傾向がある。教員は指導要領を形骸(けいがい)化させずに取り組んでほしい。

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