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【奥運(オリンピック).com】(47)金メダルの重さ
このニュースのトピックス:五輪とメディア
北京五輪の金メダルは五輪史上、最も重い。中味は純銀で、表面に加工されている金はチリ産だ。裏には青海省産の昆侖玉(こんろんぎょく)の璧(へき)があしらわれ、重さ150グラム。アテネ五輪のときより10グラム増量した。
中国における金メダルの重みは特別だ。五輪選手の多くは国費で育成され、生活も保証されるかわりに、国家の威信と国民の期待を一身に背負わされる。勝てば英雄だが、勝てぬ選手は「ごくつぶし」のように扱われ、再挑戦のチャンスすら与えられずに消えていく。
だからバドミントン女子の世界ランク1位、楊維・張潔ブン組が、8位の日本の末綱聡子・前田美順組に逆転負けしたとき、インターネット掲示板では「中国人のメンツをつぶした」などの容赦ない罵声(ばせい)が浴びせられた。負けても健闘をたたえる日本文化とは大違いだが、それが今回、最多の金メダル獲得を狙う中国の強さの源でもある。
アテネ五輪以降、成績が振るわなかった柔道の内柴正人選手が不屈の闘志で金の栄冠を再び手に入れた後の記者会見で、中国人記者がこう尋ねた。「五輪史上一番重い金メダルはいかがですか?」。内柴選手はこう答えた。「自分の選手人生の重さが加わっているから、すっごい重いです」。
国家の威信で首が折れそうな?ほど重いメダルより、スポーツを愛する人の胸に映えるメダルであったほしい。
(福島香織)




