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【奥運(オリンピック).com】(36)右肩上がりのスポーツ報奨金
北京五輪に出場する中国選手の士気を高めるため、中国国家体育総局はメダル獲得者に支給する報奨金のを、前回のアテネ五輪時より大幅に引き上げる方針を固めたようだ。具体的な金額は明らかになっていないが、中国メディアの推測よれば、金メダル獲得者に対し国から支給される賞金は25万元(約375万円)、地方政府などの賞金を合わせれば100万元(約1500万円)を突破するのは確実だという。
日本陸連がこのほど開いた理事会で、北京五輪の金メダリストに支給する報奨金をアテネ五輪の500万円から1000万円に引き上げたが、日本五輪委員会からの報奨金300万円とあわせても中国の賞金に及ばない。獲得するメダルの総数を考えると、中国の賞金総額は日本の10倍を上回る可能性もある。
中国では毛沢東時代、スポーツ選手は公務員の一種とみなされた。国際大会でどんなに活躍しても、決められた月給しか支給されなかった。代わりに、ご褒美として全国人民代表大会の代表(国会議員)など高い政治的地位を与えられることが多い。卓球の世界選手権で3連覇した荘則棟氏のように、引退直後、33歳の若さでいきなり閣僚に抜擢された例もある。
1978年の改革開放以後、中国スポーツ界の価値観が少しずつ変化する。84年のロスンゼルス五輪で、金メダルを獲得した選手に6000元ずつ支給したのが報奨金の始まりで、それが88年のソウル五輪で1万5000元となり、92年のバルセロナ五輪で一気に8万元となった。経済の急成長とともに、報奨金も倍々ゲームのように増え、今では政治的地位よりも中国の選手のモチベーションを高める手段となっている。
陸上のスーパースター劉翔は、広告収入などで年間数千万元を稼いでいるとされる。中国のスポーツ界は今や、完全に市場経済の波に洗われているのである。
(矢板明夫)



