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【奥運(オリンピック).com】(36)右肩上がりのスポーツ報奨金

2008.8.5 12:03
このニュースのトピックス奥運(オリンピック).com
昨年の大阪世界陸上の男子百十メートル障害を制し、中国国旗を手に雄たけびを上げる劉翔昨年の大阪世界陸上の男子百十メートル障害を制し、中国国旗を手に雄たけびを上げる劉翔

 北京五輪に出場する中国選手の士気を高めるため、中国国家体育総局はメダル獲得者に支給する報奨金のを、前回のアテネ五輪時より大幅に引き上げる方針を固めたようだ。具体的な金額は明らかになっていないが、中国メディアの推測よれば、金メダル獲得者に対し国から支給される賞金は25万元(約375万円)、地方政府などの賞金を合わせれば100万元(約1500万円)を突破するのは確実だという。

 日本陸連がこのほど開いた理事会で、北京五輪の金メダリストに支給する報奨金をアテネ五輪の500万円から1000万円に引き上げたが、日本五輪委員会からの報奨金300万円とあわせても中国の賞金に及ばない。獲得するメダルの総数を考えると、中国の賞金総額は日本の10倍を上回る可能性もある。

 中国では毛沢東時代、スポーツ選手は公務員の一種とみなされた。国際大会でどんなに活躍しても、決められた月給しか支給されなかった。代わりに、ご褒美として全国人民代表大会の代表(国会議員)など高い政治的地位を与えられることが多い。卓球の世界選手権で3連覇した荘則棟氏のように、引退直後、33歳の若さでいきなり閣僚に抜擢された例もある。

 1978年の改革開放以後、中国スポーツ界の価値観が少しずつ変化する。84年のロスンゼルス五輪で、金メダルを獲得した選手に6000元ずつ支給したのが報奨金の始まりで、それが88年のソウル五輪で1万5000元となり、92年のバルセロナ五輪で一気に8万元となった。経済の急成長とともに、報奨金も倍々ゲームのように増え、今では政治的地位よりも中国の選手のモチベーションを高める手段となっている。

 陸上のスーパースター劉翔は、広告収入などで年間数千万元を稼いでいるとされる。中国のスポーツ界は今や、完全に市場経済の波に洗われているのである。

     (矢板明夫)

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昨年の大阪世界陸上の男子百十メートル障害を制し、中国国旗を手に雄たけびを上げる劉翔
北京五輪の選手村が正式オープンし、記念撮影で笑顔を見せる姚明(上)、劉翔(左)ら中国選手=27日(共同)
陸上男子百十メートル障害で大きな期待が懸かる劉翔

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