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【法廷から】痴漢無罪、映画「それでもボクはやってない」がヒント!? (3/3ページ)
当初は7月8日に判決が言い渡される予定だったが、裁判官が15歳の女子高生に確認したいことがあるとして弁論再開。7月15日に再び証人尋問が行われた。
裁判官「顔を正面に向けたまま、お尻を触った犯人の手をつかんだのか」
女子高生「はい」
裁判官「犯人の手は見たか」
女子高生「犯人のスーツの袖口を見ることができた」
裁判官「スーツの袖口は何色だったか」
女子高生「黒っぽい紺」
裁判官「犯人の手が右か左かわかったか」
女子高生「当時は覚えてなかったが、後になって考えると左手だったと思う」
裁判官は丁寧に確認するように質問した。
× × ×
弁論再開から1カ月半後の9月1日。注目の判決は無罪となった。
ひじで17歳の女子高生の胸を触った行為は、男性のひじが胸に触れていた可能性はあるとし、「相当混雑している中で、男性に胸を触っている認識があったとはいえない」。
15歳の女子高生への行為についても痴漢被害が実際にあったことは認定。
その上で「女子高生は犯人の腕をつかんだまま顔を確認したわけではない」「混雑の中では女子高生の視界は限定的。黒っぽいスーツの人物は一般的に多く、他にもいた可能性がある」などと指摘し、「犯人の腕のあたりしか見ていない。後方にいた別の人物が被告の体の左側から手を伸ばして触った可能性を排除できない」と結論づけた。
女子高生の証言は公判でも揺らいでおらず、検察側の立証に納得できる部分はあった。判決も「女子高生の証言は信用できる」としながらも、「疑わしきは被告人の利益に」との刑事裁判の原則に沿った判断を下した。映画さながらの再現実験の“効果”も決して小さいものではなかったように思えた。
検察側が控訴すれば再び法廷で審理されることになるが、果たして…。
(津田大資)