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【君たちのために 元家裁判事のつぶやき】(46)加害少年に勧めたい「示談」の制度 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:刑罰
そのころ神戸家裁少年部で裁判官として審判を始めた私は、示談ができているケースがあまりにも少ないのに驚いた。示談ができているのは弁護士が付添人に付いているようなわずかなケースにほぼ限られていた。
罪を犯した少年に対する制度は、原則として罰を与えることを考えない。その代わり、教育によってその少年を再び犯罪を行わない人間に変化させようとする。親のしつけに誤りがあればそれを正してもらおうとする。
親子で一緒に被害者に心から謝罪し弁償することが、少年の再非行の防止になにがしか役に立つであろうことに異論はない。だからといって、示談ができたら処分(=教育)を1ランク下げるというような運用はできない。つまり、示談をしても必ずしも処分は軽くならないのである。
家裁が示談に消極的であった理由は、処分と連動しないからということのほか、それを勧めるのが面倒だったからでもある。
捜査記録の中の供述調書の末尾で、被害者が厳罰を求める例は多く、少年側からの謝罪などを受け入れてくれそうな雰囲気はない。そこへ家裁調査官が電話して「少年の親にあなたの電話を教えてもかまいませんか?」と尋ねることまでは簡単だが、被害者から少年のことなどについて質問攻めにあったら、たちまち残業が増える。(弁護士、元家裁判事 井垣康弘)
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