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【君たちのために 元家裁判事のつぶやき】(45)司法文化と実定法のギャップ (1/2ページ)
このニュースのトピックス:ウイークエンド「MSN産経ニュース」
主に成人を対象とする刑事司法手続は、わが国の場合「加害者・被害者関係修復的である」と言われている。
死刑か無期懲役かというような超重大事件の量刑については、連続ピストル射殺事件の永山則夫に対する最高裁判決が「犯行の罪質、動機、態様殊に殺害の手段方法の執拗(しつよう)性・残虐性、結果の重大性殊に殺害された被害者の数、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等各般の情状を併せ考察したとき、その罪責が誠に重大であって、罪刑の均衡の見地からも一般予防の見地からも極刑がやむを得ないと認められる場合には、死刑の選択をするほかない」という基準を示している。
ここには、被害者側に謝罪し、弁償の提供を行い受領してもらったかどうか(示談ができたかどうか)は書かれていない。犯行後の情状の一部になるのだが、その比重は軽い。
しかしこれは、ごく少ない超重大事件だから言えることであって、大多数である普通の事件の場合は、示談ができれば、処分は必ず軽くなる。
わが国の刑事司法は、検察官に起訴猶予の裁量権を、裁判官に刑の執行猶予の裁量権を与えており、示談ができれば大半の事件(初犯であってそれほど重大でない事件)は起訴猶予または執行猶予にしてもらうことができる。その様にして刑務所に行かずにすむと、社会もまた何事もなかったかのように温かく迎え入れてくれる。ところが、実刑になって刑務所に行くと、社会は途端に冷たくなる。社会全体による村八分的な差別が一生続く(実刑でも刑期により差別の程度は異なる)。
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