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【君たちのために 元家裁判事のつぶやき】(40)「酒鬼薔薇」事件から得た8つの提言 (1/2ページ)
手元に、平成10年6月に開催された山口繁・最高裁判所長官と神戸地家簡裁裁判官全員の「懇談会」のメモがある。懐かしい。家裁で少年事件を扱っていた私の持ち時間は5分だった。私は1000字程度のメモを作り、山口長官に差し上げるとともに、それを席上で読み上げた。
神戸の連続児童殺傷事件の少年Aに対する医療少年院送致の審判をしてから8カ月しかたっておらず、後で知ったことだが、少年Aは「国が死刑にしてくれないのなら、自殺する自由を与えよ」とゴネて鬱になっていた時期だ(もっとも6年後、少年Aは世論の「殺せ」の大合唱を背にしながら、「生きろ」と言い続けてくれた教官たちを心から尊敬すると言ってくれた)。
私の発言は、通り魔的犯罪で子どもが殺された遺族に対する裁判所や社会のあるべき対応について論じている(もちろん少年Aのケースを念頭に置いているし、聞いている側もそうであったろうが、一応は一般論である)。
その様な場合の、被害者遺族(一部の遺族と思われるが)のニーズとして、次の8つを想定し、それらのニーズに最大限応じるべきだとして、法的手当て(法改正)や運用の工夫を提言した。
(1)わが子がなぜ狙われたのかを含め、被害を受けたわが子の対応や言動などを知りたい。
(2)加害少年の生育歴、家庭環境、非行に至る背景、非行の原因・動機などを詳しく知りたい。
(3)殺されたわが子のこと、親の気持ちなどを、少年やその親に十分語りたい。
(4)以上について、審判の前後に家庭裁判所の裁判官・調査官とじっくり面談したいし、審判にも全面的に参加したい。
(5)被害に遭った直後から、弁護士・医師・カウンセラー・ソーシャルワーカー・その他のボランティアの支援を望む。
(6)少なくとも交通事故死の場合に劣らない補償金の給付を望む。
(7)少年院における処遇の内容と進展を定期的に知りたい。
(8)少年(および保護者)といつでも連絡が取れる介添え役の存在を望む。
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