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【君たちのために 元家裁判事のつぶやき】(39)「ねえ」「なあに」の親子関係を (1/2ページ)
このニュースのトピックス:ウイークエンド「MSN産経ニュース」
田村裕著『ホームレス中学生』のお母さんの子育てを「母親の普通の愛情」だと説明させてもらった。すると、早速読者(母親)からお便りをいただいた。
「紙面を読んでいる最中から涙があふれ、切り抜いて職場の昼休みにまた読み、1人声を押さえて泣きました。(育てた男の)子どもがそんなささいなことをうれしく思ってくれているとは知りませんでした。子どもにはお金を掛けるなど、特別なことをしてやらないとダメな親だと思い込んでいましたが、今まで自分が実際にしてきたことで良かったんや!と自信が持てました」
このお便りは、うれしかった。田村裕少年のお母さんは、「子育て」をたっぷり楽しまれた。この読者も、ご自分のこれまでの「子育て」に自信を持つことで、今後の息子さんとの関係が豊かなものになり、かつそれが人生の楽しみの1つになるだろう。
市民講座で、少年たちによる「リンチ傷害致死事件」について、具体的な例をあげて講演したことがある。5人組のうち4人が傷害致死で刑事・民事の責任を負ったが、1人はその場から逃げて、何の責任も負わなかった。その子は、険悪な雰囲気が高まり、今にもリンチが始まろうとしたその瞬間、「ボク、塾の時間や」とうそを付いて一目散に走り去った。
講演のメーンテーマは、加害者4人と被害者遺族との間の謝罪や償いのための対話(修復的司法)であったのに、参加者からの質問は「どうすればそのような機転のきく賢い子どもに育てることができるのか?」と逃げた子どものことに集中した。「ごく普通に愛情をそそいで育てたら、子どもは非行に走りません」と力説したが、全く納得いただけなかった。
『ホームレス中学生』が出版されたおかげで、親が楽しんで子育てしておれば、何の心配もいらないことを理解していただけたと思う。
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