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【風を読む】論説副委員長 松村雅之
このニュースのトピックス:刑罰
昭和63年から平成元年にかけて、埼玉県と東京都の幼女4人を連続して誘拐し、殺害した宮崎勤死刑囚の死刑が今月、東京拘置所で執行された。刑が確定するまで約16年という長期裁判だった。
裁判にこれだけの期間を要すれば、事件そのものが風化してしまう。拙速な審理は避けなければならないが、事件の再発防止のためにも、迅速な裁判は欠かせない。
東京・秋葉原の無差別殺傷事件は、社会に大きな衝撃を与えたが、幼女連続誘拐殺人も社会を震撼(しんかん)させた事件の一つだ。
異常で猟奇的な事件だった。殺害後、遺体を切断したり骨を焼くなどし、遺族宅玄関に骨を入れた段ボール箱を置いたりもした。さらに、新聞社に犯行声明文を送りつけるなどの行動もあった。
宮崎事件はオタク犯罪の走りとされ、事件当時、26歳だった。秋葉原事件の加藤智大容疑者も25歳である。
宮崎事件が長期化した最大の要因は、犯行当時の責任能力について、1審段階で3通りもの精神鑑定が出、この審理に3年以上もの時間を費やしたことだ。
最近の残忍な事件でも必ず、被告の精神鑑定結果をめぐって争われている。起訴前に軽々なことはいえないが、恐らく加藤被告の裁判でも、責任能力の有無がクローズアップされよう。
裁判員制度を控え、素人の裁判員に鑑定結果をどう分かりやすく説明し、理解してもらうか、法曹3者(裁判官、検察官、弁護士)に重い課題を突きつけている。