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【主張】イージス艦衝突 情報扱う能力はあるのか

2008.2.23 02:52
このニュースのトピックス主張

 千葉県・野島崎沖で起きたイージス護衛艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、時間的な余裕があったにもかかわらず、イージス艦側が衝突を回避する行動を積極的にとっていなかった状況が次第に浮き彫りとなっている。

 事故原因の特定は海上保安庁などの厳正な捜査を待つとして、連日行われる防衛省や海上自衛隊の説明が後手に回り、情報を小出しにする印象を与えている点は極めて遺憾だ。

 発生時にも、石破茂防衛相への連絡に1時間半を要する非常識さを露呈したのに、その後の対応でも情報の取り扱いのまずさが、国民の視線をさらに厳しいものにしてはいないか。

 内部で情報を迅速に伝達、共有する基本的な習慣が欠けている組織だとすれば、機密情報を取り扱う能力が疑われる。再発防止策以前に、まず重く受け止めるべき問題であろう。

 石破防衛相は「自分たちに有利なことを言うつもりはない」と強調している。新たな情報が判明するたびに公開すれば、事前の説明との食い違いが生じても、やむを得ない面はあろう。

 しかし、清徳丸の僚船や地元漁協関係者から、防衛省側の発表に強い異論や不満が示されると、どちらを信用すべきか迷うところでもある。それというのも、防衛省・自衛隊、なかでも海上自衛隊ではここ数年、情報にまつわる不祥事が相次いだためだ。

 イージス艦情報流出事件では、ミサイル防衛に関する重要情報が持ち出されて米国の強い不信を招き、同盟関係に悪影響を及ぼしかねなかった。

 米海軍内には今回の衝突事故で海自の能力を問う向きもある。そうした深刻な認識を持つのは、昨年12月、横須賀基地に停泊中の護衛艦「しらね」で火災があったからだという。

 よりによって、ミサイルや機関砲など射撃管制を担う艦の最重要区画の「戦闘指揮所(CIC)」が火元となり、外部の消防組織も入れて鎮火に8時間もかかった。この対応で海自の能力に疑問を抱いたようだ。

 折から海自の補給艦「おうみ」が新テロ対策特別措置法に基づいてインド洋での補給活動を再開した。テロとの戦いへの復帰という歓迎すべき時期に、今回の事故が影を落としていることは残念と言うしかない。

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