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【主張】古都の地震 文化財の焼失防止が肝要

2008.2.22 02:58
このニュースのトピックス主張

 清水寺、銀閣寺、平等院、東大寺、法隆寺といった名だたる歴史的建造物がずらりと並んだ。

 すべてが京都や奈良をはじめとする近畿や中部地方の神社仏閣などである。

 各社寺や城郭の門やお堂や塔の別で数えると580件にものぼる。国宝を含むこれらの重要文化財が、直下地震によって甚大な痛手を受ける可能性があるという。国の中央防災会議が調査研究の結果、まとめた見解だ。揺れによる倒壊や地震に伴う火災での焼失が心配されている。

 中央防災会議がこうした被害想定を発表したのには理由がある。この地方で大きな被害が起きやすい地震の活動期を迎えているからだ。100年から150年の周期で歴史的に繰り返されている東南海・南海地震の前には、西日本の内陸部で直下地震が多発する傾向が知られている。

 これからの東南海・南海地震に備えて中央防災会議が警鐘を鳴らしたのが今回の発表である。

 同会議は、昨年も近畿・中部地方の内陸地震によってもたらされる死者数や、民家やビルの全壊棟数の被害想定を行っている。

 近畿地方などには日本の文化財が集中しているので、とくに建造物についてのまとめが加えられた。これを契機に文化財の保護までを含めた防災対策に取り組みたい。

 建物を地震の揺れから守るには、免震化などの手段があるが、文化財の場合は美観や工法上の問題もあって、簡単には進まない。耐震調査や補強に公的な資金を投入するにしても、学校や避難所の補強を後回しにはできない。国や自治体の資金には限りがある。

 現実的には、自衛消防や地区の消防力で、初期消火を的確に行えるようにすることだろう。韓国の南大門の場合は放火だが、焼失してしまうと取り返しのつかないことになる。損壊ならば再建の道も残される。

 数百年、あるいは1000年前後にわたって風雪に耐えてきた歴史的な建物を未来に伝えていくのは、今の社会の責任だ。奈良や京都の古い社寺などは、日本の宝物であるだけでなく、この国の歴史と文化が生んだ世界の至宝でもある。日ごろから防災意識を高めて、地震の揺れに備えたい。

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