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【疑惑の濁流】北朝鮮は日本世論が怖い? うごめく拉致情報の“読み方” (1/3ページ)
今年6月の日朝実務者協議で、北朝鮮側は拉致被害者についての「再調査」と、「よど号」乗っ取り犯関係者の身柄引き渡しに協力することを約束した。初日の協議を終え、北朝鮮の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使(左端)と握手する外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長=2008年6月11日、北京市内の北朝鮮大使館(共同)一向に進展がみられない北朝鮮による日本人拉致事件。今年の6、8月に行われた日朝協議で約束した拉致被害者に関する再調査も、北朝鮮は一方的に棚上げしてしまった。だが水面下では、拉致被害者や特定失踪者をめぐり、真贋入り乱れた「情報」が飛び交っている。昨年来、急に増え始めた「情報」の中には、「北朝鮮による謀略」(公安関係者)とみられるものも混じる。北の目的は何なのか? さまざまなケースを検証すると、おぼろげながらも、その“意図”が浮かび上がってくる。
海外から、国内から…「4人を返す」
「(拉致被害者の)4人を返すようだ」
北朝鮮問題に通じたある男性は今年7月、海外で接触した北朝鮮当局の関係者から耳打ちされた。
北の関係者はさらに続けた。
「中には、亡命した日本人がいる」
衝撃的な言葉だった。
「よど号では…?」
男性の脳裏に浮かんだのは、日航機「よど号」乗っ取り犯関係者による「欧州拉致事件」だった。
欧州ルートでは、ロンドン留学中だった有本恵子さん=拉致当時(23)=の拉致事件で魚本公博容疑者(60)が国際手配されているほか、ハイジャック事件メンバーの妻である森順子(55)、若林佐喜子(53)の両容疑者は、スペイン・マドリードで石岡亨さん=同(22)=と松木薫さん=同(26)=を旅行に誘って拉致した疑いがもたれている。
男性が「よど号」を想起したのには訳がある。
約1カ月前の6月に北京で行われた日朝交渉では、北朝鮮側が「よど号」犯関係者6人の身柄引き渡しへの協力と、被害者に関する再調査を約束していたからだ。
実は、男性の話と奇妙に一致するもう一つの情報が、日朝協議が始まる数日前に広がっていた。
《4人の生存者がいる−》
拉致被害者を調べている特定失踪者問題調査会(荒木和博代表)がリストアップする特定失踪者の名前もささやかれ、調査会には報道機関などから問い合わせが殺到した。









