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【主張】汚染米の転売 農水は事後監視の徹底を
食用には適さず、工業用糊(のり)の原材料などに使われるはずの汚染米が加工食品用として販売されていた。「食の安全」を脅かす不正行為がまたも明らかになった。
再発防止の観点からも不正転売には厳しい追及が必要だ。一方で売却した農林水産省の事後監視体制にも少なからず問題点が指摘されている。徹底した見直しが必要となろう。
ウルグアイ・ラウンド合意で日本は平成7年度からコメの最低輸入義務を課され、現在は年間70万〜80万トンを中国などから輸入している。このうち2000トン程度は輸入後検査で基準値を超す農薬やカビの発生が確認されている。
農水省はこれを「事故米穀」として区別し、食用には回さないことを条件に民間に売却している。価格は食用米の5分の1程度が相場とされ、今回はこの仕組みが悪用された格好だ。
不正転売をしていた三笠フーズ(本社・大阪市)は、15年度から現在まで計1779トンの事故米穀を買い取っていた。最近の2年間では、少なくとも430トン程度を焼酎や米菓の材料として不正転売していた可能性が強い。
転売された汚染米については、事前に洗浄やカビの除去作業が行われていたとして、農水省は「ただちに健康被害につながる恐れはない」と消費者に冷静な対応を呼びかけている。
だが、これまでの調べで、三笠フーズは二重帳簿の作成や出荷記録の偽造・廃棄を行っていたことも明らかになっている。会社ぐるみの極めて悪質な不正行為と言わざるを得ない。消費者の不安解消のためにも、転売先の追跡調査には万全を期してほしい。
農水省は食品衛生法違反罪で同社を刑事告発する方針という。当然のことではあるが、他の事業者には問題がないのかどうか。売却後の事故米穀の転売については対象を三笠フーズ以外にも広げ、さらに徹底した調査をすることが求められよう。
同時に、事故米穀の売却体制そのものも再検討すべきだ。農水省は販売計画書や売上伝票などでチェックはしていたというが、不正を見抜けなかったのも事実だ。計画的不正にも対処できる新たな事後監視体制も考えたい。
食品の産地偽装など食の安全に対する国民の不信感は危険水域まで達している。消費者行政の抜本改革が急がれる。