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【正論】最高裁の判事たる資格を問う 政治評論家・屋山太郎 (1/3ページ)
重大犯罪の社保庁不祥事
年金記録漏れ問題は、日本の官僚制度始まって以来の無責任、悪質な事犯ではないか。どこかで大きな汚職事件が起これば、犯罪はいずれ摘発され犯人は処罰され決着する。しかし年金記録漏れは全国民を不安に陥(おとしい)れ、いつ収拾するかの見通しも立たない。この間、きっちり始末がつくまで全国民が我慢と辛抱を強いられるというような行政の失敗は、どのような悪質犯罪に勝るとも劣らない。
昨年6月、年金記録問題検証委員会(座長・松尾邦弘元検事総長)が発足し、同年10月報告書をまとめた。私もこの委員会に加わったのだが、精緻(せいち)で濃密な調査を行ったと思っていた。ところが、その後に「やっぱりそうか」と思い当たる事件が続々と発覚したのである。
記録漏れの原因の一つは組合(旧自治労国費評議会、現全国社会保険職員労働組合)のオンライン化に対する徹底した非協力である。第二は当初、漢字入力したが具合が悪いというのでカナ入力に切り替えたこと。その際不完全に入力された漢字を元にカナ入力された。名前が消えた原因のほとんどはこの入力切り替え失敗に起因している。漢字入力が失敗だったのだから、再入力に当たってはもう一度原簿に当たるのが筋だ。民主党の長妻昭議員は当初から原簿から再調査せよと主張していたが、これには2000億円もの費用がかかるといって厚労省は反対していた。最重要なのは信用の回復であって費用の問題ではないだろう。
労組の責任・当局の責任
報告書が出されたあとに浮き上がってきたのは長期にわたって組合「ヤミ専従」が行われてきたことだ。全国社保労組の高端照和委員長は今年3月17日記者会見し、20、30人が関与し、社会保険庁側も黙認してきたことを明らかにし、「違法行為で国民の信頼を裏切った」と辞任を表明した。要するに国から不正に給与を受け取ったわけだが、その総額は過去10年間に7億5000万円にのぼるという。許せないのは社保庁の幹部がこれを知りつつ長年黙認し、検証委員会の聴取の際も労使がぐるになって隠し通したことだ。

