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【疑惑の濁流】人とカネ集めた「防衛フィクサー」 その力の源泉 (3/4ページ)
こうした中、自民党が約1年で政権に復帰。力を失った日戦研が自然消滅してゆく一方、秋山容疑者は、「新防衛族」とともに、防衛業界への影響力を強めていった。その後、専務理事を務める「日米平和・文化交流協会」は日戦研同様、防衛業界で政官財をつなぐトライアングルの要となってゆくのだ。
日戦研の理事だった田村氏が今年1月に死去する直前、周辺にこうこぼしていたという。
「秋山が今やっているのは本来、おれの仕事だった。秋山に取って代わられたんだよ−」
米軍事人脈へのパイプを見せつけ「力の源泉」に
「日米防衛筋のパイプ役」。秋山容疑者の力の源泉はこの一言に尽きるが、その影響力を周囲に誇示したのは、平成14年に始まった防衛族議員を引き連れての訪米旅行だ。
昨年秋以降、疑惑が報じられたため辞退する議員が相次いだが、今年5月の視察には、久間章生元防衛相ら3人の自民党議員が参加している。
ワシントンで開かれる「日米安全保障戦略会議」への参加が訪米の主な目的だ。それに加え秋山容疑者は、米国の軍事施設の視察や、政府高官やロッキード・マーチン社など軍需メーカー幹部との会食もセッティングしてきた。
昨年までは防衛商社やメーカー約30社も同行している。
「ロッキード・マーチン社とボーイング社の工場に入って、F22などの戦闘機を間近に見た。米軍だって最新鋭の機器や軍事施設は見せないのに…」
参加した商社幹部はそう述懐し、秋山容疑者の豊富な人脈に舌を巻いた。この“セッティング力”を通じ、防衛関連企業は秋山容疑者の背後に日米の有力国防議員の姿を感じ取り、軍事受注のために秋山容疑者にすり寄ろうとしてゆく。
社団法人“乗っ取り”、フィクサー活動の拠点に
こうした視察旅行などを主催し、“秋山人脈”の後ろ盾となった組織が、社団法人「日米平和・文化交流協会」だった。
平成元年に理事となった秋山容疑者は、14年には専務理事に就任している。
この社団法人の歴史は古い。設立は昭和43年で、もともとは留学生支援など文化活動を行っており、防衛とは縁はなかった。
が、団体が財政難に陥っていったのを機に、秋山容疑者が主導権を握ってゆく。
専務理事になったころの秋山容疑者が、会議で突然こう切り出したのだ。
「これからは防衛関係の団体としてやっていきたい。運営資金も私が集めます」
他の理事たちは猛反対した。だが、団体の存続のために他の選択肢はなく、事実上、秋山容疑者が乗っ取った形となった。
秋山容疑者は周囲にこう語っている。
「社団法人を前面に出すと、何かと動きやすい」
生活ぶりも派手に…そのカネはどこから?
「日米平和・文化交流協会」は17年7月、理事の顔触れを一新させる。
久間元防衛相。
綿貫民輔議員。
福田康夫首相(19年3月に辞任)。
石破茂元防衛相(同9月に辞任)。
こうした日本の国会議員に加え…
元米国防長官、ウィリアム・コーエン。
元米国防長官顧問、ウィリアム・シュナイダー。
こうした米政府高官が加わったのだ。
さらに三菱重工、三菱電機の相談役ら日本の財界重鎮も名を連ねた。
約40社(昨年6月時点)にのぼる会員企業からは、50万円の年会費ほか、協賛金を集めた。協会は“防衛団体”一色に染まっていった。
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