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【疑惑の濁流】人とカネ集めた「防衛フィクサー」 その力の源泉 (2/4ページ)
日戦研とは、元自民党副総裁の故金丸信氏が昭和55年に設立したシンクタンク「日本戦略研究センター」の略だ。理事には、故田村秀昭元参院議員ら防衛庁のOB議員や防衛産業に天下ったOBらが名を連ね、安全保障をめぐる政策提言集団として活動していた。
同時に、日戦研には“裏の顔”もあった。集票マシンとしての機能である。
当時を知る国会議員関係者が証言する。
「金丸氏の秘書が中心となり、防衛メーカーにパーティー券を買わせていた。政官業の癒着の温床だった」
金丸氏が佐川急便事件を受けて議員を辞職すると、小沢氏は5年2月、日戦研の会長を引き継いだ。そして、防衛族議員を引き連れて自民党を飛び出す。
自民党は危機感を募らせた。長期政権党としての力の源泉となった「政官業のトライアングル」の一角が、小沢氏に奪われてしまったからだ。そのうえ防衛庁の内局は、自民党が下野して以降、小沢氏の新生党にすり寄っていった。
そうした自民党内の空気を、秋山容疑者は敏感に感じ取っていた。
「いずれ自民党は政権に戻る。日戦研に準ずる組織をつくれば金になる−という思いが秋山容疑者にはあったのかもしれない」
防衛族議員の元秘書はこう話す。
故金丸陣営の運転手…「政争」に乗じ台頭
秋山容疑者が、日米の国防族議員で構成される「安全保障議員協議会」の事務局長、任意団体「安全保障研究所」の所長に就任し、防衛産業への足場を固め始めたのはこのころだった。
秋山容疑者と政界の接点は30年以上前にさかのぼる。
大学卒業後、「小説吉田学校」の著書で知られる政治評論家、故戸川猪佐武氏に師事した。20代前半で米国の企業家、フレデリック・ワイズマン(故人)と知り合い、同氏の紹介で頻繁に渡米する。これを機会に、秋山容疑者は米国の政治家やシンクタンク代表らと面会を重ねた。
国内では金丸氏の有力後援者の運転手として仕えたことで、金丸邸に集まる政財界要人の人脈を広げていったという。
しかし、当時はまだ、秋山容疑者の名を知る人は少なかった。関係者が振り返る。
「米国で軍事エージェント活動をしていたジョン・カーボー(故人)が講演で来日したときは人が集まらず、秋山容疑者はサクラの動員に四苦八苦していたくらいだった」
その秋山容疑者が“台頭”する契機となったのは、実質的に新生党のものとなった日戦研をめぐる疑惑だった。
防衛庁(当時)の次期多用途支援機(UX)の選定に絡み、米メーカーの受注に便宜を図ったのではないかという疑いが浮上し、自民党が日戦研を追及。防衛利権をめぐる「自民VS新生」の政治闘争だったが、そのまま、「米国人脈に明るい秋山容疑者を支持する自民党グループVS日戦研」という構図と重なっていた。
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