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【疑惑の濁流】国税マンがワイロ要求、税金不正の“この世の末” (1/4ページ)

2008.7.21 15:50
このニュースのトピックス建築・住宅
汚職で上席国税徴収官が逮捕された厚木税務署=神奈川県厚木市水引(中村智隆撮影)汚職で上席国税徴収官が逮捕された厚木税務署=神奈川県厚木市水引(中村智隆撮影)

 タバコ値上げ、消費税率上げ…。重税感がずしりと高まっている今、“節税”をエサにした徴税マンの不正ほど腹立たしいものはない。「税金を払わなくていいようにしますよ。その代わり…」。相続税の未納分5000万円を免除する見返りに、不動産賃貸業者から1000万円のワイロを受け取っていた税務署職員。自ら計画を持ちかけては周到に工作し、まんまと大金を懐に入れていた。税をめぐる不公正感が社会の枠組みの破壊につながってきたことは歴史が示す通りだが、現代のモラル崩壊は徴税マンにも及んでいた。逮捕された税務署職員の“悪徳錬金術”が物語る“この世の末”とは−。

手口は巧妙 「痕跡」消し去るも点検で発覚

 7月2日朝。

 厚木税務署上席国税徴収官の林英一容疑者(45)は出勤するや、懲戒免職の辞令を手渡された。

 「申し訳ありませんでした」

 事情を察し、こう言って署長に頭を下げた。そのまま身柄は横浜地検へ移され、同日中に加重収賄容疑で逮捕された。

 検察が発表した容疑事実はこうだ。

 林容疑者は昨年9月中旬〜10月上旬、厚木市の不動産賃貸業、八田幸一容疑者(38)=贈賄容疑で逮捕=の相続税の未納分約5000万円について、完納したように装うため署内の端末を不正に操作してデータを0円に減額。さらに、八田容疑者が所有する宅地に、国が相続税を徴収するために設定していた抵当権を抹消する手続きを行い、その見返りとして現金計1000万円を3回に分けて受け取った疑い。

 相続税などを一括して納めるのが困難な場合、税務署の許可を受けて分割払いにできる「延納」という制度がある。八田容疑者もこれを利用し、担保とした宅地に抵当権が設定されていた。

 林容疑者は、税務署のデータだけでなく登記も改竄(かいざん)することで、八田容疑者の納税義務の痕跡を完全に消し去ったわけだ。

 手口は巧妙そのもの。

 抵当権抹消手続きでは、「抵当権抹消登記嘱託書」と「抵当権抹消登記原因証明書」の2通について、他の書類に紛れ込ませて署長の公印を押し、決裁を受けたように見せかけて法務局に提出していた。

 だが、今年6月中旬になって、林容疑者の上司が事務点検で不審な点に気付いた。

★★★これまでの【疑惑の濁流】はこちら★★★

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汚職で上席国税徴収官が逮捕された厚木税務署=神奈川県厚木市水引(中村智隆撮影)
汚職で上席国税徴収官が逮捕された厚木税務署=神奈川県厚木市水引(中村智隆撮影)
汚職で上席国税徴収官が逮捕された厚木税務署=神奈川県厚木市水引(中村智隆撮影)
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