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【疑惑の濁流】北の核に日本製「真空ポンプ」 キーワードは「台湾」だった (1/3ページ)
国際原子力機関(IAEA)が昨年7月に実施した北朝鮮・寧辺(ニョンビョン)の核施設に対する査察で、厳重に輸出管理されているはずの日本製「高性能ポンプ」が見つかった。“危険な国家”には渡らないはずのシロモノなのに、北朝鮮は日本からの輸出規制が比較的緩い「台湾」を経由させて核関連物資を入手していた。日本を離れた途端、制御が効かなくなり、北に流出するさまざまな軍事転用物資。その先に見えてくるのは「核の闇市場」の恐怖である―。
日本製“危険物資”が北の核施設にあった
IAEAが寧辺の核施設で見つけた高性能真空ポンプは、神奈川県相模原市の機械装置メーカー「東京真空」製のものだった。
北が何の用途で使用したかは不明だが、このポンプは汎用性が高く、核物質生成の過程で細かいチリやゴミを完全に排除する精密作業などに使うことができる。「核施設には必要不可欠な一品」(公安関係者)だという。
信用調査機関によれば、東京真空は平成4年12月に創立。資本金は1000万円で、「小規模だが、東大をはじめとする公的研究機関のほか、日立製作所や日新製鋼、三菱重工業など電気、金属、機械、化学など国内基幹メーカーのほとんどすべてが顧客。技術力は一級の実力派企業」(信用調査筋)だ。
その高性能ポンプを、東京都港区の貿易代理業「ナカノ・コーポレイション」が15年夏、約50万円で10台を台湾向けに輸出した。
ナカノ・コーポレイションの台湾への輸出は、精密機械などを中心に20年以上続いており、今回のポンプと同様のものをこれまでにも名門の台北大学や医療機関などにも輸出してきた実績がある。
IAEAからの連絡を受けた日本側は、神奈川県警が刑事事件として、このポンプがなぜ北に流出したかを捜査中だ。
東京真空、ナカノ・コーポレイションとも、神奈川県警の事情聴取に「北朝鮮との貿易実績はない」と説明。これまでのところ、両社と北朝鮮との直接のつながりは見えてこない。
「あれだけの専門技術と優良顧客を持っていながら、業務停止の危険を冒してまで北朝鮮に輸出するメリットはないはずだ」
業界や経済産業省関係者らの多くもこうした見方を示す。
日本企業の関与がないまま、結果的にポンプが北に持ち込まれた可能性も否定できない。
知らないうちに、軍事転用可能なメード・イン・ジャパンの物資が北に流れている危険な現状。





