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【主張】博士号に謝礼 贈収賄事件にもつながる

2008.3.17 03:42
このニュースのトピックス不祥事

 横浜市立大の医学部長が、医学博士の学位を取得した大学院生から謝礼金を受け取っていた不祥事が発覚した。医学部の10人以上の教授が現金をもらっていたという情報まである。

 医師不足や医療事故など医療崩壊が深刻な社会問題となるなか、いまだにこのような不正がまかり通っているとは言語道断である。

 問題の医学部長は「毎年の研究報告会や懇親会、学位取得者への記念品に使った」「個人としては受け取っていない」「金品は返している」と釈明している。にわかには信じがたい。

 横浜市大はこの医学部長が受け取った謝礼金の趣旨や使途を徹底的に調査する責務がある。医学部長だけでなく、他の教授や謝礼金を渡した大学院生からも聴取を行うのは当然だ。

 文部科学省も事実関係を調査し、こうした不正を繰り返さないよう厳しく指導しなければならない。

 医学部長は学位論文を審査する主査や副査を務めたことがあり、論文作成指導も行っていた。横浜市大の教職員はみなし公務員である。仮に博士号取得に絡んで便宜を図っていたとすれば、贈収賄事件の可能性もある。

 医学博士の学位取得事件としては、昨年12月に名古屋市立大の元大学院教授が、口頭試問の内容を漏らすなどの便宜を図った見返りに現金を受け取り、収賄容疑で逮捕された。

 博士号は医学の研究成果に対して与えられる。そこに謝礼金が介在するなどもってのほかである。社会常識では考えられない。

 ところが、他の大学の医学部でも「昔からの慣習だ」「学位論文審査委員会の主査には20万〜30万円、副査には5万〜10万円が相場だ」「主任教授の意見が博士号取得の可否を左右する」と博士号取得に絡んで同様な不正があるとのうわさはたえない。

 平成16年度に導入された新臨床研修制度によって一部の教授が人事権を握る医局制度は崩壊しつつある。しかし、まだまだ教授の強い権力が残っているのも事実だ。今回の横浜市大の問題もこうした教授の権力と無関係ではなさそうだ。

 文科省は厚生労働省と協力して大学医学部内の不正の実態にメスを入れ、再発防止策を施す必要がある。

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