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【主張】ライブドア控訴審 企業のあり方再考の機に
粉飾決算など証券取引法違反罪に問われ、1審で実刑判決を受けたライブドア元社長、堀江貴文被告の控訴審が始まった。堀江被告側は1審同様無罪を主張している。
「法律で禁止されていなければ、何をしてもよい」などの挑発的な発言と派手な生活ぶりでメディアの寵児(ちょうじ)だった堀江被告は、1審判決で「一般投資家を欺き、その犠牲の上に立って企業利益のみを追求した犯罪」と断じられた。
その自社の株価を最重要視し、株価を上げるのに手段を選ばぬ手法は、市場原理主義の象徴的存在とされ、利益至上主義の経営に対して厳しい批判が浴びせられた。
にもかかわらず、その後も上場企業による不正会計や、老舗・大手企業による食品の消費期限や生産地の書き換えなどの行為は後を絶たない。違法であるという以前に、投資家や消費者・顧客に対する不誠実な行為が横行していることに国民は驚かされた。
しかも、多くは内部告発によって発覚している。「ずるいことをして利益をあげていいのか」「違法行為でもバレなければ、かまわないのか」といった堀江被告に浴びせられた批判が、そのままあてはまる。
発覚直後は現場や部下に責任を押しつけるケースが目立つのも、「部下がやったことで、自分は知らなかった」という堀江被告の言い分と通じる。
こう考えると、ライブドア事件で明らかになった問題点は、堀江被告以下当時の同社経営陣に固有のものではなく、実は日本の企業社会全体に広がっているのではないかとの疑いを抱かざるを得ない。
ライブドアへの強制捜査から2年あまり、堀江被告に対する1審判決からも約11カ月が経過した。このところ、堀江被告がメディアに登場する機会はほとんどなく、この日も出廷しなかった。メディアや国民の関心もかつてに比べて薄れているかもしれない。
だが、ライブドア事件で打撃を受けた新興市場はいまだに回復できず、会計不信も続いている。
適法かどうかというだけでなく、フェアな企業経営とは何か、あるべき企業の姿は何か。堀江被告の控訴審開始を事件が投げかけた問題を改めて考える機会にしたい。